当院では昔から一貫して、離乳食には決して硬い歯ごたえもあるものではなく、舌で潰せる硬さのもを食べさせる様、変わることなくお伝えしてきました。
理由としては
・乳歯は2歳半から3歳で奥歯が生え揃います。当然ながら歯が無ければ、少し歯ごたえのある食材や線維質すら噛む事は出来ません。
・硬いものを咀嚼するだけの筋力が無い。
の2点を説明して参りました。
ここからが今回の本題なのですが(現在まで、小児歯科 矯正歯科では全く追求も解明もされてこなかった内容です)、
ではもし乳児期に舌で潰せない硬いものを与えていた結果、何が起こるのか?
筋肉・骨格が未熟で弱い乳幼児期、特に乳歯が生え揃う3歳頃までは噛む力が非常に弱く、また、重い頭、体を支える筋肉も
それでは 乳歯がほぼ生え揃う3歳頃まではどんな食材が良いのか?
最初の繰り返しになりますが、乳臼歯が全て生えておらず、筋肉・骨格が未熟な時代は、舌を上顎の裏側に押し付けて、すり潰しができる食材が適しています。お粥、野菜ペーストから始まり、
徐々に体幹が安定してくれば、豆腐、根菜のソテーや、軟らかく煮たスープ内の葉物野菜や、軟飯等は良いメニューでしょう。
そして大事なポイントです、この舌によるすり潰しの動きができれば下顎は自然と縦ではなく横方向に動きます。この動きでは顎関節や頚椎等に対して負荷は掛かりません。そして舌のすり潰しと下顎の横の動きは、下顎骨を発育させる大きなポイントの一つなのです。
この時期に硬い食材を与えてしまい縦に強く噛ませるか、舌ですり潰しの出来る食事を与えて横方向のすり潰し咀嚼をさせるかは、その後の骨格成長、そして、結果として歯並びに対してもとても大きな影響を及ぼすのです。
おやつで、グミやガムを噛ませてもダメですよ。発育発達への大変な悪影響をもたらします。
余談ですが、大人でも硬い食材を好んで食される方々は見えます。奥歯は臼歯と呼ばれる様に、文字どおり臼(うす)の形態をしています。臼歯はすり潰すために存在する歯なのです。とは言っても実際には臼歯でも少なからず縦方向に噛んでいます。しかし、特に硬いフランスパン、スルメ、氷、飴玉、冷やしたチョコなどを強く噛む習慣は歯周組織のみならず、顎関節や筋肉にダメージを与えてしまいます。大人でもあまりに硬い食材を習慣的に噛まない事が肝要です。
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